イラン映画「別離」

アスガー・ファルハディ監督作
アカデミー賞 最優秀外国語映画賞を含む映画賞90冠って・・・
すごすぎるでしょ。
でも、どうなんだろ?

とか思いつつも観ちゃいました。
金沢シネモンドで。

前作「彼女が消えた浜辺」を観たときに、
引き込まれつつも、ラストへ向かうにつれ、増大していった違和感。

圧倒的な土壌の違いに対する戸惑いが、今作を見たことで少し自分の中で消化された、かも。
それだけ演出が卓越だった、ということか。

物語は、
現代イランの社会情勢や人々の抱える日常生活での困難をリアルにとらえている、らしい。
イランでも、どこかの国と同じように、
独身の若者が増え、離婚率が急上昇し、少子高齢化が急速に進み、
老人の介護や子供の教育などの悩みが社会問題化しているらしい。
厳格なイスラム法の価値観と、紛争や政治問題がさらに問題解決の枷になる。

イラン人タレントさんがTVで言ってたけど、
イランでは、英語か日本語を勉強してアメリカか日本に移住しようという考えは一般的なもので、珍しくないという。
故郷は大切だけれど、
生活して、子育てするには良い環境とは言えない、
と考える中流階級は多い、のだろう。

そして、当然イランにも、中流があれば下流階級も存在する。

映画に登場するのは、
移住で揉める中流の家族と、借金に苦しむ下流の家族。

信仰と人間らしいエゴとの狭間で揺れながら、何を守り、何を捨てるのか?
登場人物たちそれぞれが究極の選択を迫られる。
神と人のどちらからも祝福される答えを、人は選択することが出来るのか。
いやそもそも、そんな選択肢が存在するのだろうか?

前作でもテーマになっていたと思われる、
「嘘」「葛藤」「選択」が今作ではより鮮明に、象徴的に描かれていて印象深い。

また、イランの裁判制度も興味深いものがあり、面白い。

いずれにしても感心させられるのは、イラン人の敬虔さであり、
これもまた、心に止める価値がある。

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